公開日:2025.11.19
最終更新日: 2025.11.20
【眼形成専門医が解説】眼瞼下垂の原因について
眼瞼下垂になってしまうとまぶたが下がることで目つきが悪い印象になってしまったり、視野が狭くなったりするほか、頭痛や肩こり、自律神経の乱れなどさまざまな不調が身体に起こります。
そこで本記事では、眼瞼下垂となってしまう原因について、オキュロフェイシャルクリニックの眼形成専門医が詳しく解説します。
あわせて、オキュロフェイシャルクリニックによる眼瞼下垂の治療もご紹介するので、「まぶたが下がって顔の印象が変わってしまった」とお悩みの方はぜひ参考にしてください。
眼瞼下垂の主な原因|加齢による「腱膜性眼瞼下垂」
まぶたが開く仕組みは、まぶたを持ち上げるために必要な眼瞼挙筋と呼ばれる筋肉が収縮することにより、まぶたの裏にある骨のような組織(瞼板)とつながる挙筋腱膜によって瞼板が引っ張り上げられて開きます。
この挙筋腱膜は加齢とともに伸びたり弛んだりするため、眼瞼下垂のなかでも多い原因となっています。
加齢のほか、コンタクトレンズ(特にハードコンタクトレンズ)を長期間使用している、日頃から目を擦る癖があるといった方の場合も挙筋腱膜に負担がかかってしまい、眼瞼下垂の進行を早めてしまう可能性があります。
生まれつきの原因|「先天性眼瞼下垂」
生まれつき眼瞼下垂の状態となっている「先天性眼瞼下垂」は、その多くがまぶたをあげるための眼瞼挙筋の力が弱い、神経に異常があるといった原因で起こります。
先天性眼瞼下垂の場合、視界不良を放置しておくと弱視や斜視になってしまうリスクがあるため、早期治療が求められる症状です。
その他の眼瞼下垂の原因
筋膜性眼瞼下垂、先天性眼瞼下垂以外の原因として、神経や筋肉系の疾患によって眼瞼下垂が起こる場合もあります。
神経が原因の場合
眼瞼下垂を引き起こす神経系疾患の代表的なものとして、動眼神経麻痺やホルネル症候群が挙げられます。
動眼神経麻痺:
まぶたをあげるための眼瞼挙筋を動かす動眼神経に障害が起こることで麻痺が起こり、まぶたが上がらなくなる。
ホルネル症候群:
眼につながる交感神経に障害が起こり眼瞼下垂を引き起こす。
症状の程度は、障害が起きている場所によって異なる。
筋肉系の疾患が原因の場合
眼瞼下垂を引き起こす筋肉系の疾患として、重症筋無力症が挙げられます。
重症筋無力症とは、自己免疫によって神経と筋肉の接合部分に障害が起こる疾患で、筋肉疲労を引き起こす自己免疫疾患です。
筋力が低下することによりまぶたをあげる力が弱まり、眼瞼下垂を引き起こします。
オキュロフェイシャルクリニックの眼瞼下垂治療
オキュロフェイシャルクリニックでは、加齢にともなう一般的な眼瞼下垂はもちろん、他院で手術したもののうまくいかなかった患者様や、先天性(生まれつきの)眼瞼下垂などの難症例もたくさん行っております。
患者様一人ひとりの症状にしっかりと向き合い、見た目と機能両方に配慮した眼瞼下垂治療をご提供しております。
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まとめ
眼瞼下垂の原因はさまざまですが、状態によっては早期治療をしなければ思わぬリスクが生じるため、できるだけ早く治療をすることが大切です。
オキュロフェイシャルクリニックは、眼形成専門のクリニックとして、これまで眼瞼下垂に悩む多くの患者様に寄り添い、治療をさせていただいてまいりました。
眼瞼下垂に悩み、「視野を広く、そして若々しい目元にしたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にオキュロフェイシャルクリニックへご相談ください。
これまで培ってきた経験と技術、そして常にアップデートされる知識を活かし、患者様一人ひとりの症状に合った治療法をご提案させていただきます。
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公開日:2025.11.19
眼瞼下垂とは?原因・症状・治療法を解説
何かしらの要因でまぶたが下がってしまう眼瞼下垂は、表情の変化はもちろん、症状によっては十分な視野を確保することができず私生活においてさまざまな師匠をきたす場合があります。
そこで本記事では、眼瞼下垂とはどのようなもので何が原因となっているのかを、眼形成専門のオキュロフェイシャルクリニックが解説します。
あわせて、当クリニックの眼瞼下垂治療の特徴もご紹介するので、垂れてしまったまぶたを改善し、明るい表情を取り戻したいとお悩みの方の参考になれば幸いです。
眼瞼下垂とは?
眼瞼下垂とは、上まぶたが下がってしまうにも関わらず上げにくくなってしまい、視界が狭まっている状態を指します。
眼瞼下垂になると普段から眠そうな表情になったり、患者様によっては肩こりや頭痛の原因となるケースもあります。
眼瞼下垂の原因
眼瞼下垂の原因には先天性、後天性のものがあります。
先天性の場合
先天性の眼瞼下垂は、主に生まれつき眼瞼挙筋の発達が不十分なために、まぶたを持ち上げる力が足りないことが主な原因です。
後天性の場合
後天性の眼瞼下垂の多くの場合、加齢やコンタクトレンズ(特にハードコンタクトレンズ)の長期使用、目を擦る習慣によって腱膜が緩むことが原因です。
上記のほか、眼球を動かすための筋肉やまぶたを制御する動眼神経が麻痺する動眼神経麻痺などの神経系疾患、重症筋無力症や慢性進行性外眼筋麻痺など筋肉系疾患の場合も眼瞼下垂を引き起こす場合があります。
眼瞼下垂の症状|見た目と身体への影響
眼瞼下垂は、まぶたが下がって表情に変化が現れるだけでなく、身体にも症状が現れることがあります。
外見上の症状(整容的な影響)
眼瞼下垂によって外見に現れる症状として、以下のようなことが挙げられます。
眠たそうな目元、目つきの悪さ
左右差(非対称)の発生
おでこのシワ(まぶたを上げようと眉毛を使うため)
機能的・身体的な症状
機能的・身体的症状として挙げられる症状は、主に以下の3点です。
視野狭窄(上方が見えにくい)
頭痛、肩こり(無理に目を開けようと力むため)
自律神経の不調(無意識の力みによる)
眼瞼下垂の治療について
オキュロフェイシャルクリニックでは、加齢にともなう一般的な眼瞼下垂はもちろん、他院で手術したもののうまくいかなかった患者様や、先天性(生まれつきの)眼瞼下垂などの難症例もたくさん行っております。
当クリニックでの眼瞼下垂の主な治療法をご紹介いたします。
皮膚のたるみが原因による眼瞼下垂の治療
皮膚のたるみが原因となっている眼瞼下垂の場合、まつ毛の上部でたるんでしまった皮膚を切除しつつ必要に応じて余分な脂肪も切除し、さらに下がってしまわないよう二重まぶたを形成します。
また、もともと二重まぶただった患者様の場合は、眉毛のすぐ下を切開する眉毛した皮膚切除を行ったり、症状が重度の場合は両方を行うケースもあります。
筋肉のたるみが原因による眼瞼下垂の治療
筋肉のたるみが原因による眼瞼下垂の治療は、伸びてたるんでしまった筋肉をまぶたが機能的に上がる位置へと縫い直し、必要に応じて皮膚の切除も行います。
症状が軽度の患者様の場合は、皮膚の切開はせずにまぶたの裏側から治療を行う場合もあります。
眼瞼下垂手術のビフォーアフター動画
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【FAQ】眼瞼下垂に関するよくある質問
眼形成専門のオキュロフェイシャルクリニックは、これまで眼瞼下垂に関する多くのご質問をいただいてきました。
なかでも多かったご質問を、回答とともにご紹介いたします。
眼瞼下垂は手術以外で治りますか?
現在のところ、進行した眼瞼下垂を手術以外で治す方法は見つかっておりません。
手術は痛いですか?入院は必要ですか?
麻酔をかけて行うため手術中の痛みはありませんが、「麻酔をするときの注射の痛み」と「術後の傷口の痛み」は生じる場合があります。
また、当クリニックでは日帰り手術に注力しております。基本的に入院の必要はありません。
後天的な眼瞼下垂を予防する方法はありますか?
まぶたをこするなどの物理的な刺激を加えたり、ハードコンタクトレンズを長時間装着しないように気を付けてください。
既に進行してしまっている場合は、当クリニックまでご相談ください。
まとめ
まぶたが下がってしまう眼瞼下垂は、表情に変化が出るだけでなく、視野が狭まったり、頭痛や肩こり、自律神経の不調の原因になったりもします。
眼瞼下垂を改善し、毎日を気持ちよく過ごしたいとお悩みの方は、ぜひお気軽にオキュロフェイシャルクリニックへご相談ください。
眼形成専門クリニックとして培ってきた経験と実績、技術を活かして患者様一人ひとりのお悩みを解決するお手伝いをさせていただきます。
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公開日:2025.11.19
【眼球突出】原因の約9割はバセドウ病による甲状腺眼症|専門医による症状・治療法を解説
眼球が本来あるべき場所よりも表へ飛び出してしまう眼球突出。
その多くの原因はバセドウ病(甲状腺機能亢進症)に伴う甲状腺眼症です。
本記事では、眼球突出の症状、そして眼形成を専門とするオキュロフェイシャルクリニックがご提案する治療法を詳しくご紹介します。
眼球突出の医学的な分類
眼球突出は、突出した眼球の状態によって医学的に分類されています。
はじめに、NO SPECS分類による状態、そして突出の程度ごとの症状を解説します。
NO SPECS分類
NO SPEC分類による眼球の状態は以下のとおりです。
N(No signs or symptoms):眼症状はなし
O(Only signs):目の突出や眼瞼の腫れ、眼瞼裂の広がり(目が大きく開いた状態)などの兆候があるが、症状はない
S(Soft tissue involvement):眼球周囲の軟部組織(目の周りの腫れや炎症)が関与している
P(Proptosis):眼球突出がある
E(Exophthalmos, corneal involvement):角膜の露出や乾燥、視力障害が生じる
C(Corneal involvement):角膜の損傷が進行している
S(Sight loss):視力喪失、視神経の損傷が進行している
眼球突出の程度
眼球が突出している場合、その突出度合いによって患者様ご自身が感じる症状は異なります。
軽度(1-2 mm):目の乾燥や異物感を感じる程度
中等度(3-4 mm):眼瞼の下垂や視野の狭窄が見られることがある
重度(5 mm以上):視力障害、角膜の露出、眼瞼の閉じにくさ、視神経の圧迫による視力低下などが進行
眼球突出の最大の原因は「甲状腺眼症(バセドウ病)」
バセドウ病が原因による眼球突出は、甲状腺の働きが自己免疫によって攻撃され、眼球周辺の筋肉(外眼筋)や脂肪(主に眼窩脂肪)が炎症を起こし、眼窩内の圧力が高まることで眼球が前へと押し出されて起こります。
眼形成専門クリニックである当院での治療について
眼形成専門であるオキュロフェイシャルクリニックでは、これまで眼球突出にお悩みの患者様を数多く治療してまいりました。
当クリニックでは、炎症期には眼窩内(目の奥)の炎症が起こっている部分に対し、直接炎症を抑える薬(ステロイド)を注射します。
この方法は、行っている施設はまだ限られますが、ステロイドの内服や点滴に比べて副作用が少なくかつ効果が大きい治療法です。
薬によって炎症が落ち着いたら、突出した目を凹ませる手術として「眼窩脂肪減圧手術」を行います。
多くの施設では骨を削ることによる骨減圧手術を行っていますが、骨を切除するため身体的な負担が大きいといったデメリットがあります。
しかし、「眼窩脂肪減圧手術」は脂肪のみの切除による減圧手術のため身体的負担が少なく、かつ切除する脂肪量により変化の予測もつけられるところがメリットです。
まだこの術式を行っている施設はほとんどありませんが、オキュロフェイシャルクリニックでは患者様にとってできるだけ負担やリスクを少なくしつつも、眼球突出を治すために「眼窩脂肪減圧手術」を行っております。
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【FAQ】眼球突出に関するよくある質問
眼球突出についてよくいただくご質問をご紹介いたします。
眼球突出を自力で治す方法はありますか?
自力で治す方法はありません。また、力を込めて押し戻そうとすることは絶対にやめてください。
生まれつき眼球突出になることはありますか?
非常に稀ですが、可能性はあります。当クリニックではバセドウ病とは関係ない眼球突出のご相談も承っております。
片目だけ眼球突出の場合でも治すことはできますか?
これまで、片目だけ眼球突出している方の手術歴も豊富にございます。ぜひ当クリニックへご相談ください。
まとめ
眼球突出が起こってしまうと表情に変化が現れるだけでなく、症状によっては視神経が圧迫され、視力低下や失明のリスクが高まりますが、自力で治すことはできない症状です。
眼球突出に悩み、以前のような自然な表情を取り戻したいとお考えの方は、まずはお気軽にオキュロクリニックへご相談ください。
年間一万件を超える手術実績で培ってきた技術と経験、そして常にアップデートされる知識を活かし、患者様一人ひとりが快適な日常を過ごせるようお手伝いさせてただきます。
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公開日:2025.11.19
甲状腺眼症とは?専門医が解説する症状・原因・治療のすべて
甲状腺機能の疾患によって現れる代表的な症状のなかに、甲状腺眼症と呼ばれる眼に現れる症状があります。
本記事では、甲状腺眼症の概要や主な症状、治療の流れを解説します。
あわせて、眼形成手術を専門とするオキュロフェイシャルクリニックへよくいただくご質問も紹介するので、甲状腺の疾患が原因で眼にお悩みを抱えている方はぜひ参考にしてください。
甲状腺眼症(TED)とは?
甲状腺眼症(TED)とは、眼球周囲にある脂肪(眼窩脂肪)や眼球を動かすための筋肉に含まれる甲状腺に関係する抗体が標的となり、炎症を引き起こす症状です。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)のほか、稀に橋本病(甲状腺機能低下症)や甲状腺機能に異常がない場合でも発症する場合があります。
甲状腺眼症の主な症状
甲状腺眼症の主な症状として、次のようなものが挙げられます。
【まぶたの症状】
眼瞼後退(まぶたの引きつり):目が大きく見開いたようになる
眼瞼腫脹(まぶたの腫れ・浮腫):朝起きた時などに特に目立つ
【眼球の症状】
眼球突出:目が前に出てくる
複視(ものが二重に見える):外眼筋の肥大による動きの制限が原因
ドライアイ・充血:眼球突出やまぶたの閉じにくさによる
【重症例で起こりうる症状】
視力低下・視野欠損:腫れた筋肉が視神経を圧迫する(視神経症)ことによる。
なお、症状が重症化すると失明に至るリスクもあるため、早期受診が重要です。
甲状腺眼症の診断と治療
オキュロフェイシャルクリニック東京では、甲状腺眼症に関する治療について、まずは受診時に必要とする検査を一通りさせていただき、炎症期か否かを判断させていただきます。
この判定により、炎症期であればまずは薬物治療を、非炎症期で状態が落ち着いている患者様には手術のご案内をさせていただいております。
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【FAQ】甲状腺眼症に関するよくある質問
オキュロフェイシャルクリニックは、眼形成手術の専門クリニックとして、これまで甲状腺眼症に悩まれる多くの患者様の治療をさせていただきました。
治療にあたり、よくいただくご質問を回答とともにご紹介いたします。
甲状腺眼症は自然に治りますか?
炎症自体は自然に引いていくこともありますが、残った形態的変化は自然に治ることはありません。
専門的な治療を必要といたしますので、まずはお気軽に当クリニックまでご相談ください。
手術の所要時間はどれくらいですか?
眼窩脂肪減圧手術はおよそ1時間くらい、全身麻酔下での手術となります。
手術の詳細については、受診時に詳しくご案内いたします。
甲状腺眼症で失明することはありますか?
たいへん稀なケースではありますが、視神経が圧迫を受けて失明することもあります。
できるだけ早く受診するようにしてください。
まとめ
甲状腺機能の異常によって眼に現れる症状の甲状腺眼症は、放置しておくと失明のリスクが高まり、症状が現れたらできるだけ速やかに専門医による診断を受け、治療をすることが重要です。
オキュロフェイシャルクリニックは、甲状腺眼症を含むさまざまな眼の症状改善を専門とする眼形成外科クリニックとして、詳しい検査によって患者様一人ひとりの症状を確認させていただきます。
そして、常にアップデートして積み重ねてきた知識と技術を最大限に活用し、辛さと不安を抱えている眼の症状を解消するためのお手伝いをさせていただきます。
甲状腺眼症を改善し、健康的で自然な状態の眼を取り戻したいと悩まれている方は、ぜひお気軽にオキュロフェイシャルクリニックへご相談ください。
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公開日:2025.10.30
2025年義眼外来開催日の
お知らせ
義眼外来を開催しております。アツザワプロテーゼと日本義眼研究所の義眼技師の方に当院にきて頂きます。
義眼外来診察日時について
診察日
第1火曜日・第4火曜日(クリニックの都合により変動する可能性あり)
診察時間
9:00〜11:00
場所
オキュロフェイシャルクリニック東京〒104-0061東京都中央区銀座1丁目15−4ヒューリック銀座一丁目昭和通りビル 8階
予約方法
完全予約制となっておりますので、お電話でご予約ください。
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※完全予約制となっておりますので、お電話でご予約ください。
2025年の義眼外来開催日について
11月18日 (アツザワプロテーゼ)
9:00-11:00
11月20日 (日本義眼研究所)
9:00-11:00
12月18日 (日本義眼研究所)
9:00-11:00
12月25日 (アツザワプロテーゼ)
9:00-11:00
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公開日:2025.10.27
オキュロが眼形成手術に顕微鏡を使う理由
我々は当院で行っている全ての眼形成手術に顕微鏡を使用しています。
一般的には顕微鏡を使わずに、裸眼もしくは使ってもルーペ程度なのですが、我々は顕微鏡を使って高精細な手術を目指しているのです。僕は海外の眼形成医師たちが700人以上所属しているグループに入っているのですが、その中で顕微鏡はいらないよねルーペで十分だよねという投稿があったので反論しました。以下に、その文面を書きたいと思います。
我々は年間1万件以上の手術件数を誇る眼形成専門クリニックグループです。日本全国に5院を持ち、所属ドクターは20名以上です。手術は眼形成手術のみ行っており、全ての手術が顕微鏡下に行われています。顕微鏡を使うメリットを下記に挙げます。正直なところ、手術用ルーペに顕微鏡が負けるところはほとんどありません。あえていえば初期投資くらいでしょうか。それでも大した値段ではなく、他の機器に比べたら非常に安価です。以下に顕微鏡がルーペに勝るメリットを列挙します。
1.解像度が高い
当たり前ですが顕微鏡は解像度が高いです。これにより非常に細い血管、神経、そして瘢痕を見分けることが可能です。光学顕微鏡が発明されて微生物が発見され、電子顕微鏡が発明されて、ウイルスが発見され見分けられるようになりました。組織の中を詳細に見分けることで今までできなかった手術が可能になります。その一つが、眼窩脂肪減圧です。我々は筋円錐内脂肪まで切除することが可能です。なぜなら失明を回避するために視神経やその栄養血管を見分けることが出来るからです。解像度が高いことはデメリットではありません。
2.視野を全員が共有できる
当院は毎年2-3名のフェローが入職するグループです。つまり新人医師の教育が非常に重要になります。国際フェローの時に思ったことであり、皆さんも新人のころに思ったことだと思うのですが眼窩手術の場合には序列が下の新人医師はどこでどのような手術がされているのか全くわかりません。術野が狭すぎるからです。直視でしか手術が出来ないというのは非常に非効率だと思います。顕微鏡では大画面のHDモニターで新人医師も、麻酔科医も、手術ナースも、外回りスタッフもすべての情報を共有することが可能です。オペ室にいる全てのスタッフが手術の進捗を共有できることはメリットしかありません。
3.首の問題が起きない
皆さん眼科医なのでお分かりだと思いますが、眼形成以外の眼科手術医は眼科用顕微鏡を使用しています。私の上司はKishi’s pocketで有名なProf. Kishiですが75歳の彼はまだ硝子体手術を行っています。顕微鏡の場合には正面視で手術を行うことが可能であり、つまり首の問題が起きづらいのです。これは職業寿命を伸ばすことにつながります。望まれない早期リタイヤを防ぐためにも早いうちからの顕微鏡使用が勧められます。
以上が大まかな顕微鏡を眼形成手術に使用する利点です。我々が使用している顕微鏡はLeica M320という顕微鏡です。これは眼科用顕微鏡と異なり自由な角度に変えることが可能であり希望があれば水平0度にすることも可能です。顕微鏡操作にも慣れが必要だと思いますが、我々は眼科医ですのでそれほどの違和感は感じないと思いますし、我々のフェローはすぐに習熟し、顕微鏡無しに手術をすることは出来ない身体になっています。
長くなりましたのでこの辺で終わりにしますが、天動説を唱えていても日常生活は送れますし、ブラウン管テレビでニュースを見ていても人生は進んでいきます。固定電話を使用していても太陽は上り、馬車に乗っていても風が完全に止むことはありません。同じところに固執することも良いのですが、世の中の進化を俯瞰した目でとらえる視点は非常に重要だと思っていまして、僕は個人的に眼形成手術の次世代の主役は顕微鏡手術になると確信しています。内視鏡手術も同じように技術の進化の一部ですね。世界は変化しています。時代の変化を読んで、そこに全集中することです。偉大な先輩たちがすでにやっていることです。ビルゲイツやスティーブジョブズ、イーロンマスクを考えたらわかりますよ。後から始めるなら明日から始めたほうが良いですよ。
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