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Oculoplastic Clinic in Chuo-ku, Ginza, Tokyo OCULO FACIAL CLINIC TOKYO|Ophthalmology / Plastic and Reconstructive Surgery

OCULO FACIAL CLINIC TOKYO

医院ブログ

バセドウ病眼症へのステロイドパルス~オキュロフェイシャルクリニック東京のやり方

19.05.13

カテゴリ:ブログ

バセドウ病眼症の発症直後の活動期の治療は、手術ではありません。

眼の奥の脂肪や筋肉に炎症が起きている状態ですから
これを薬剤で抑えることが治療になります。

現在使える薬剤の種類は副腎皮質ステロイドという薬剤しかありません。

世界的には他の薬剤(生物学的製剤)の臨床試験が行われていますが
https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/ohashi/kogen/patient/treatment/biological.html
論文を見る限り、ステロイド以上の効果が出ているわけではないように見えます。
いずれ日本でも使えるとしてもまだまだ何年も先の話だと思われます。

ではステロイドしか使えないとして
どのような投与方法があるのか。

具体的に取れる方法は3つです。

1.内服(口から)
2.点滴(腕から)
3.注射(まぶたから)

今回は1と2についてのお話です。

一般的に日本中で(本当に日本中で!)やっている方法を紹介しますと、

入院して点滴を週に3日間を3週間、退院後に内服を3か月から6か月徐々に減量して終了というものです。

点滴と点滴の間はそのまま入院しつづけなければいけない施設もあれば、一旦退院となってまた次の入院としている施設もあります。

ちょっと考えていただきたいのですが、3週間の入院ってゾッとします。

バセドウになる方は30-50歳に多いので、

仕事や子育てでとてもそんなに長く入院が出来る環境にはないのが普通だろうと思います。

下手をすると仕事クビになっちゃいます。。。

無事に入院・点滴が終了すると、次に待っているのは長期のステロイド内服です。

長期のステロイド内服、薬さえ処方されていれば

通院せずに済むのが良いところです。
しかし内服の欠点として、副作用が多いことが挙げられます。

満月様顔貌(ムーンフェイス)、高血糖、不眠などがよく起こります。

点滴で入れる薬剤の量が多いので、効果が高いのですが
逆に量の少ない内服で副作用が多く出ます。
(内服は作用時間が長いから、と考えられています)

つまり内服は効果が少なくて、副作用が多い、コストパフォーマンスが悪い治療ということが分かっています。

したがって最新のヨーロッパ甲状腺研究会の指針では内服は行わず
週に1度の点滴を行う、としています。
https://www.reviewofophthalmology.com/article/management-of-thyroid-eye-disease

(以下原文一部抜粋)

In Europe, nearly every patient with a diagnosis of thyroid eye disease receives intravenous infusions of steroid once weekly for 12 weeks. Intravenous steroids have been shown to have a greater efficacy than oral steroids (80 percent vs. 50 percent). While this doesn’t cure the disease, it does reduce the clinical severity and improve the patient’s quality of life. However, 10 percent of patients are resistant to steroids. Steroids also carry the significant risks of liver failure, diabetes, insomnia, psychological changes and even death (if the cumulative dose exceeds 6 to 8 g).

参考文献にあたるもの

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4836120/

だから当院ではこれに則って、週に1度の点滴を行っているのです。
分かっている範囲で一番効果が高く、拘束時間が短く、副作用が少ない治療なのです。

お断りですが、古典的な入院パルスを否定するものではありません。

あくまで日本中で入院しか選択肢がないのであれば
それ以外も作ってあげたほうが良いのでは?という発想から来ています。

治療法の選択は、患者さん個人の自由だと思っております(^_-)-☆

2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
http://www.oc-tokyo.com/

バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
「1時間で分かる 甲状腺眼症入門パンフレット」
https://oculofacial.page.link/pamphlet
kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B07MS9HNSH/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_NJ8pCbV9B21VS