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凹んだ眼球も治します – 眼窩骨折の治療④

凹んだ眼球も治します – 眼窩骨折の治療④ 

前回まで、皮膚からのアプローチ、口腔内からのアプローチはおススメしないと書きました。

結膜(白目)の切開から眼窩内へ進入することが可能です。
キズはほとんど残りません。

スペースに飛び出た眼窩脂肪や筋肉に辿り着いたらそれらを引き上げることを行います。
ここで注意が必要なのが、折れた骨と鼻粘膜の取り扱いです。

まず戻したいのは落ち込んだ脂肪や筋肉なのですが、その境界には必ず骨と粘膜があります。
これらが眼窩内に入ってしまうと脂肪や筋肉と癒着を起こし
眼がロクに動かなくなってしまうことがあるのです。

しっかりと脂肪や筋肉といった眼窩組織と、骨や粘膜の間をはがし、
眼窩組織だけを元の位置に戻します。

ここから最後のステップに移りますが
そのままにしておくと眼窩組織は、元のスペースに落ちてしまいますから
骨の壁を再建しないといけないのです。

若い患者さんの場合には骨が強く、しなるので折れ方が単純でそのまま一枚の板として残っていることも多いのでそのまま使う場合があります。

その一方でだんだん年齢を重ねると骨が脆く、しならなくなってしまうため
フロントガラスが割れたような粉々になって折れてしまうことが多くなります。
その場合には人工の骨の板を使用します。

ここでの注意点は、眼窩骨折の手術の目的は、骨を治すことではない、ということです。

え?なにが違うの?

と思ったかもしれませんが、骨を治すのは副次的なもので
大事なことは眼窩の組織を元の位置に戻すことであるということです。

眼窩の組織を元に戻し、それがまたスペースに出るのを防ぐために副次的に骨の再建をするのです。

なぜここを強調するのか。
それは他院でされた手術の後遺症をいっぱい見ているから、なのです。

先ほどの原則を分かっていないオペレーターが手術をすると
眼窩内組織を戻さずに骨だけ再建しようとするのです。

するとどうなるか、脂肪は戻されない、筋肉も戻されないままですから
目が凹んだ、ダブって見える、という症状が治らず、そのままになってしまうのです。

CT撮れば、骨は再建出来ている、といえるかもしれません。
が、症状が良くならない手術に何の意味があるのでしょうか。

いいえ、意味は全く無いのです。その手術に意味はありません。

ただキズアトが顔に増えただけ。。。。。。
本当に日本中で、こういう患者さんがいらっしゃるのです。。。。。。。

2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/

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